PMID: 27521042
【背景】
T4乳癌に対して,ガイドラインでは術前化学療法後の修正根治的乳房切除術が推奨されている.
我々はより低侵襲の外科的療法を選択出来る患者群を同定するために,現在の全身化学療法と腫瘍のサブタイプが病理学的病期分類と診療様式に与える影響を研究した.
【方法】
我々の施設(Mayo Clinic)において2008年10月から2015年7月までに手術を受けた98人の臨床的T4M0の患者について調べた.
患者,腫瘍,そして治療変数(treatment variable)を解析した.
【結果】
臨床的T4のうちサブステージとしては,7%がT4a,32%がT4b,3%がT4c,58%がT4dであった.
腫瘍の生物学的サブタイプとしては,41%がER陽性HER2陰性,36%がHER2陽性,23%がER陰性HER2陰性であった.
86人(88%)の患者が術前化学療法を受けた.87%が乳房全摘術,9%が皮膚温存乳房切除術,4%が乳房温存術を受けた.
74%の患者に腋窩郭清を施行され,センチネルリンパ節生検の結果,腋窩郭清を14%が受け,11%が受けなかった.
41人(42%)がリンパ節転移陰性だった.
乳腺(31%)と腋窩(39%,臨床的リンパ節転移陽性例)における病理学的完全寛解率は生物学的サブタイプと相関していた(P <.0001).
5年無病生存率,5年乳癌特異的生存率はそれぞれ68%,86%だった.
【結論】
ガイドラインに従った治療は乳腺手術,腋窩手術の双方において十分な治療成績を示した.
良好な乳癌特異的生存成績は現代の集学的治療が治療成績を改善している事を示唆している.
注意深い病理学的検査と治療反応性の検討により乳房温存または腋窩温存手術が適切な臨床的T4患者を同定出来る可能性がある.
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