PMID: 28087608
【背景】
肥満はその他の乳癌と比べて有意に炎症性乳癌のリスクが高い.
そこで,我々は肥満の合併症(糖尿病,血糖値異常,脂質異常症,高血圧)が炎症性乳癌とその他の乳癌のリスクに関わっているか,診断時のステージごとに調べた.
【方法】
1992年から2011年までに登録されたSEERメディケアデータベースの66歳以上の女性乳癌患者を対象とした.
まず,炎症性乳癌(N=2,306),局所進行非炎症性乳癌(N=10,347),その他(N=197,276)に分類した.
また,コントロールとして層化5%ランダム抽出法を用いて200,000人の非乳癌女性メディケア受給者を抽出した.
メディケア個票データを用いて,診断および抽出の12ヶ月前の曝露を調べた.
オッズ比と99.9%信頼区間を条件なしロジスティック回帰分析を用いて検討下.
【結果】
糖尿病は遠隔転移炎症性乳癌(OR 1.44; 99.9% CI 1.21-1.71),遠隔転移(OR 1.24; 99.9% CI 1.09-1.40)および領域性(OR 1.29 (99.9% CI 1.14-1.45)の局所進行非炎症性乳癌,遠隔転移(OR 1.23; 99.9% CI 1.10-1.39)およびステージ分類されていない(OR 1.32; 99.9% CI 1.18-1.47)非炎症性乳癌のリスクを高めた.
脂質異常症は炎症性乳癌(OR 0.80; 95% CI 0.67-0.94)と,限局性を除く非炎症性乳癌のリスクを下げた.
腫瘍のエストロゲン受容体発現度合によって結果は変わらなかった.
血糖値異常と高血圧はあらゆる乳癌のリスクを僅かに高めた.
【結論】
遠隔転移炎症性乳癌とその他の進行癌と糖尿病,脂質異常症との関わりは同程度であった.
【影響】
これらの異常が確認された場合,予防へのきっかけとなりうる.
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