Paik HJ, Lee SK, Ryu JM, et al. Conditional disease-free survival among patients with breast cancer. Medicine (Baltimore). 2017;96(1):e5746.
PMID: 28072715
【背景】
条件付き無病生存率(CDFS; conditional disease-free survival)では時間経過による変化を反映することができる.
これまで用いられてきた無病生存率(DFS)は診断時点からの生存率を計測していたため,無病状態で経過している患者の再発リスクを予測する点で課題があった.
本研究において,我々は乳癌患者のCDFSを明らかにし,DFSにおける予後予測因子を推定した.
【方法】
Samsung Medical Centerにおいて2004年1月から2013年12月までに乳癌根治手術を施行された連続した患者7,587人を後ろ向きに解析した.
DFSにおけるリスク因子を明らかにするため,Kaplan-Meier法により単変数解析と多変数解析を行った.
CDFSは累積DFS予測に基いて計算された.
【結果】
フォロー期間の中央値は20.59ヶ月であった.
解析前の3年DFSは93.46%であった.
術後1年目〜5年目における無病患者の3年CDFSは各年92.84%,92.37%,93.03%,89.41%,79.64%であった.
3年CDFSはホルモン受容体陰性患者では毎年上昇したが,ホルモン受容体陽性患者では毎年低下した.
【結論】
現行のガイドラインでは推奨されていないものの,3年目で無病状態のホルモン受容体陽性患者は,継続的なサーベイランスと転移の評価を行うべきである.
一方,ホルモン受容体陰性患者ではサーベイランス期間を延長することで社会的コストを抑制することが出来る可能性がある.
乳癌患者におけるDFSの予後予測因子を同定するために今後の研究が期待される.
【用語解説】
条件付き無病生存率CDFS:患者が診断後X年無病生存した時点におけるY年生存率を指す(Henson DE, Ries LA. On the estimation of survival. Semin Surg Oncol
1994;10:2–6.).
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